2014年10月22日水曜日

第15回東京フィルメックス 上映作品

 第15回東京フィルメックス

本年の東京フィルメックスは、11/22(土)~30(日)までの9日間、コンペティション9作品、特別招待作品11作品、特集「1960-破壊と創造のとき-」3本、特集「デヴィッド・クローネンバーグ」2本を上映します。

チケットは、11月3日(月・祝)よりチケットぴあにて販売開始。限定早割チケット1000円(平日17時前開始の作品)、前売り1300円。当日一般1800円、当日学生・サポーター会員1300円

 公式サイト http://www.filmex.net

11月22日(土)~11月30日(日)
有楽町朝日ホール、TOHOシネマズ日劇にて

タイムテーブル ダウンロード 2014FILMeX.pdf (71.2K)

【東京フィルメックス・コンペティション】9作品

『彼女のそばで』Next to Her/イスラエル/2014/90分 /監督:アサフ・コルマン(Asaf KORMAN) 
『ディーブ』Theeb/ヨルダン、U.A.E.、カタール、UK/2014/97分
/監督:ナジ・アブヌワール(Naji ABUNOWER) 
『数立方メートルの愛』A Few Cubic Meters of Love/イラン、アフガニスタン/ 2014/90分/監督:ジャムシド・マームディ(Jamshid MAHMOUDI)  
『プリンス』The Prince /イラン、ドイツ/2014/92分/監督:マームード・ベーラズニア(Mahmoud BEHRAZNIA)  
『クロコダイル』Crocodile/ Bwaya/ フィリピン/2014/88分/監督:フランシス・セイビヤー・パション(Francis Xavier PASION )

『シャドウデイズ』Shadow Days/鬼日子/中国/2014/95分/監督:チャオ・ダーヨン(ZHAO Dayong) 
『生きる』Alive/SANDA/韓国/2014/177分/監督:パク・ジョンボム(PARK Jungbum)

『扉の少女』A Girl at My Door/DOHEE YA/韓国/2014/119分/監督:チャン・ジュリ(JUNG July)

『ダリー・マルサン』DARI MARUSAN/ダリー・マルサン/日本/2014/103分/監督:髙橋泉(TAKAHASHI Izumi)


【特別招待作品】

◎オープニング作品
『野火』Fires on the Plain/日本/2014/87分/監督:塚本晋也(TSUKAMOTO Shinya ) 
◎クロージング作品
『マップ・トゥ・ザ・スターズ』Maps to the Stars/カナダ、アメリカ、ドイツ、フランス/2014/112分/監督:デヴィッド・クローネンバーグ(David CRONENBERG ) 配給:プレシディオ

『ツィリ』Tsili/イスラエル、フランス、イタリア、ロシア /2014/84分/監督:アモス・ギタイ(Amos GITAI) 
『プレジデント』The President/グルジア、フランス、UK、ドイツ/2014/119分/監督:モフセン・マフマルバフ(Mohsen MAKHMALBAF ) 
『西遊』Journey to the West/西遊/フランス、台湾/2014/56分/監督:ツァイ・ミンリャン(TSAI Ming Liang) 
『ONE ON ONE(原題)』One on One/韓国/2014/122分/監督:キム・ギドク(KIM  Ki -duk) 配給:キングレコード、太秦
『Sharing』Sharing/日本/2014/117分/監督:篠崎誠(SHINOZAKI Makoto) 
『さよなら歌舞伎町』Kabukicho Love Hotel/日本/2014/135分/監督:廣木隆一 (HIROKI Ryuichi) 配給:東京テアトル

『ギフト(仮題)』The Wound and The Gift/USA/2014/80分/監督:リンダ・ホーグランド(Linda HOAGLUND)  
『真夜中の五分前』Five Minutes to Tomorrow/深夜前的五分鐘/中国、日本/2014/129分/監督:行定勲(YUKISADA Isao) 配給:東映
『ジャ・ジャンクー、フェンヤンの子』A GUY FROM FENYANG: JIA ZHANGKE/ブラジル/2014/103分/監督:ウォルター・サレス/出演:ジャ・ジャンクー、ワン・ホンウェイ、チャオ・タオ、ユー・リクウァイ、ハン・サンミン


【特集上映 1960-破壊と創造のとき-】共催:松竹

『青春残酷物語』Cruel Story of Youth/1960年/97分
/監督:大島渚/出演:桑野みゆき、川津祐介、久我美子、渡辺文雄、田中晋二 
『彼女だけが知っている』Only She Knows/1960年/63分
/監督:髙橋治/出演:小山明子、渡辺文雄、笠智衆、水戸光子 
『武士道無残』The Tragedy of Bushido/1960年/74分 /監督:森川英太朗/出演:森美樹、高千穂ひづる、山下洵一郎、渡辺文雄

【特集上映  デヴィッド・クローネンバーグ】助成:カナダ大使館

『ステレオ/均衡の遺失』Stereo/カナダ/1969/63分/監督:デヴィッド・クローネンバーグ(David CRONENBERG ) 
『クライム・オブ・ザ・フューチャー/未来犯罪の確立』Crimes of the Future/カナダ/1970/63分/監督:デヴィッド・クローネンバーグ(David CRONENBERG)

2014年10月4日土曜日

東京国際映画祭タイムテーブルとチケットのこと

恒例のアジアもんタイムテーブル(PDF、A4サイズ2頁)をアップロードしました。左サイドバーよりダウンロード可能です。
舞台挨拶など追加情報が出た場合、修正版にしてアップし直します。

チケットは、10/11(土)12:00より販売開始です。

1) インターネット受付
フィーチャーフォン、スマートフォン、PCからで購入可能(ticket boardサイトでの会員登録が必要)
10/11(土)12:00~10/31(金)最終上映開始後20分まで

2) 電話受付
0570-060-506(PHS/IP電話:0986-30-4037) オペレーター対応
10/11(土)~10/26(日)10:00-20:00(10/11のみ12:00-20:00)上映5日前まで受付
※電話受付での購入には、発券手数料が別途かかります。

3) 劇場窓口
TOHOシネマズ 六本木ヒルズ:10/23(木)-31(金)各日9:30より
TOHOシネマズ 日本橋:10/24(金)-31(金)各日9:30より
※六本木会場では、日本橋会場のチケットも購入可能。
※日本橋会場では、六本木会場のチケットも購入可能。

東京国際映画祭公式サイト

2014年3月20日木曜日

【韓国映画セレクション SPRING 2014】

4月5日より、シネマート新宿・シネマート心斎橋にて開催されます。今年は次の3作品が上映されます。

『恋愛の温度』
監督:ノ・ドク 出演: イ・ミンギ、キム・ミニ、キム・ガンヒョン  2013年/112分/韓国語





『トップスター』
監督:パク・ジュンフン出演:オム・テウン、キム・ミンジュン、ソ・イヒョン 2013年/114分/韓国語

 


『ファイヤー・ブラスト 恋に落ちた消防士』
監督:チョン・ギフン 出演:コ・ス、ハン・ヒョジュ、マ・ドンソク 2012年/114分/韓国語





シネマート新宿 http://www.cinemart.co.jp/theater/shinjuku/index.html
シネマート心斎橋 http://www.cinemart.co.jp/theater/shinsaibashi/index.html

2014年2月27日木曜日

『高雄ダンサー』記事掲載のお知らせ

【読み物のページ】に「音楽と映画の関係性を追究した『高雄ダンサー』~第26回東京国際映画祭」を追加しました。ホー・ウェンシュン監督のインタビューをメインにした記事です。
http://asiancinema-fan.blogspot.jp/p/blog-page_27.html

2014年2月3日月曜日

2/8公開『光にふれる』 希望に向かって翔べ!!

Ⓒ2012 Block 2 Pictures Inc. All rights reserved.
配給:クロックワークス/2014年2月8日(土)、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネマート新宿他全国公開
2012年・台湾/監督:チャン・ロンジー(張榮吉)/出演:ホアン・ユィシャン(黄裕翔)、サンドリーナ・ピンナ(張榕容)、リー・リエ(李烈)、ホアンイー・シュウ(許芳宜)、閃亮、MC40、納豆ほか/110分
http://hikari-fureru.jp

  幼少時よりピアノに非凡な才能を見せたユィシャンは、台北の大学で音楽を学ぶことになり、生まれて初めて家族から離れ寮生活を始める。不安と緊張の日々。だが、ざっくばらんなルームメイト・シンがユィシャンの学生生活を活き活きとしたものに変えていく。
Ⓒ2012 Block 2 Pictures Inc. All rights reserved.

  ある日、ユィシャンは、声の美しいジューススタンドの店員・シャオジエと知り合う。恋人や経済観念のない母親に翻弄され、ダンサーになる夢を諦めていたシャオジエは、ユィシャンとの交流をきっかけに再び夢に挑むことを決意する。

  生まれながらに視力を持たず、光のない世界にいたユィシャンは、ごく普通の、ひとりの独立した人間として彼を見てくれるシンやシャオジエといった仲間たちに出会ったことで輝きだす。だが、シャオジエに希望を与える一方で、彼の心の中の闇が羽ばたこうとする彼を妨害する。

  盲目のピアニスト、ホアン・ユィシャンの実話をもとにした本作で、主役を演じるのはユィシャン自身だ。やや反則気味だが、彼の演技は自然体で伸び伸びとしていてなかなかのもの。他の役者では表現しきれないだろう素朴さ、存在感がよい。音楽も彼がウェン・ツーチェと共同で手掛けており、これらの功績により、ユィシャンは金馬奨で最優秀台湾映画人賞を受賞している。

Ⓒ2012 Block 2 Pictures Inc. All rights reserved.
  対するシャオジエ役のサンドリーナ・ピンナは、『一年之初』や『ヤンヤン(陽陽)』などが日本では紹介されている若手演技派。本作で、台北映画祭(台北電影節)では最優秀女優賞を受賞、金馬奨でも同部門にノミネートされている。
 
 作品としても、台北映画祭やプサン国際映画祭などで観客賞を受賞。台湾での劇場公開では、公開週より翌週翌々週のほうが観客が多いという現象を呼んでいる。すなわち、実際に見た人の評判を聞きつけて劇場に足を運んだ人が少なくなかったわけで、観客の満足度も高かったといえるだろう。

  まばゆい青春の日々、暗く長いトンネルを抜けて希望に向かってそれぞれに飛び立っていくふたりの姿は、老若男女を問わず多くの人に感動を与えずにはおかない。聞くところによると、いま、台湾ではユィシャンのアルバムの制作が進行中だそうだ。


※本稿は「な~るほど・ザ・台湾」2012年12月号「台流がやってきた(79)」をもとに加筆修正したものです。

2013年12月のホアン・ユィシャン来日関連記事を下記に公開しました。合わせてお読みください。
http://qnico-tw.blogspot.jp/2014/01/blog-post.html

2014年1月30日木曜日

2/1公開『新しき世界』 ある潜入捜査官の選択

2月1日丸の内TOEI、シネマート新宿ほか全国ロードショー
2013年・韓国/監督:パク・フンジョン/出演:イ・ジョンジェ、チェ・ミンシク、ファン・ジョンミン、パク・ソンウン、ソン・ジヒョほか/134分
http://www.atarashikisekai.ayapro.ne.jp
http://www.facebook.com/atarashikisekai
Twitter @newworld2014

 時折思う、任務を終えた潜入捜査官は無事堅気の警官に戻れるのだろうかと。何年もかけて犯罪組織に潜入し、融け込んで、多くの犠牲を払って見事に任務を果たした後……
 この映画の主人公ジャソン(イ・ジョンジェ)は、8年前に潜入捜査官として韓国最大の犯罪組織に入り、組織のナンバー2であるチョン・チョン(ファン・ジョンミン)の右腕にまでなった。本心では、任務を早く終えてまっとうな警察官に戻りたいと思っている。彼の正体を知るのは、ソウル警察のカン課長(チェ・ミンシク)とその上司の局長、連絡係のだけだ。そんな折、組織のトップが謎の死を遂げ、カンは跡目争いを利用した「新世界」作戦を企てる。
 潜入捜査はもうすぐ終わるはずだと信じるジャソン。カンからは新たな指令が飛んでくる。任務に追い詰められたジャソンに逃げ場はなく、正体がバレればもちろん命はない。チョン・チョンとの間に紡がれた、同じ中国系韓国人という兄弟のような絆が、苦悩を深くする。チョン・チョンは、うっかり者のようでありながら、底知れない恐ろしさを併せ持つ。ジャソンは、恐怖と孤独を抱えながら、誰にも気を許すことはできないまま、自身も犯罪組織の一員として冷酷に振る舞うことを余儀なくされる。
 かつて『情事』や『イルマーレ』などのラブストーリーに主演し、その甘さで女性ファンを魅了していたイ・ジョンジェだが、本作では極めて男性的な世界をじっくりと体現する。企業化した犯罪組織のなかで身にまとうのはダークスーツだ。かっちりとしたそのフォルムが、主人公の置かれた状況を示している。セリフよりも表情よりもスーツに包まれた両肩が苦悩を語る。そして、身に危険が迫るなか、彼はある選択をする。
 どこか『インファナル・アフェア』や『エレクション』といった香港映画を彷彿させる本作だが、監督のパク・フンジョンはこれらノワール映画のファンだそうだ。オマージュだろうか。色数を抑えた凍てついた映像が、恐ろしくも魅力的だ。本作は、長大な物語のなかの中間部分にあたり、機会があれば前編と後編も撮りたいとのことだ。

2014年1月15日水曜日

『NOWHERE ノアの方舟』

台湾での劇場公開で台湾映画として5本の指に入る大ヒットとなった3Dムービー「五月天諾亞方舟」が、『NOWHERE ノアの方舟』として日本公開されることになりました。TOHOシネマズ六本木ヒルズ&TOHOシネマズなんばの2館、2月8日から一週間の期間限定となります。料金は2200円(特別興業につき各種割引料金適用なし)。詳細は、http://liveviewing.jp/mayday-movie/ をご参照ください。

2014年1月14日火曜日

1/11公開『グォさんの仮装大賞』 老人たちを生かす、その力の源は?

1月11日シネマート新宿・シネマート心斎橋にてロードショー
1月18日シネマスコーレ、ほか全国順次公開
2012年・中国/原題「飛越老人院」、2012年東京国際映画祭上映時タイトル「老人ホームを飛び出して」/監督:チャン・ヤン(張楊)/出演:シュイ・ホァンシャン(許還山)、ウー・ティエンミン(呉天明)、リー・ピン(李濱)、イエン・ピンイエン(顔丙燕)ほか/104分
http://www.guosan.jp/

  70を過ぎ、再婚相手に先立たれたグォは、義理の息子に自宅を明け渡して友人チョウの暮らす老人ホームに居を移した。ホームでは、チョウの発案でテレビの仮装コンテストに出る話が持ち上がったところだった。コンテスト出場という目標ができ、はつらつとした日々を送る老人たちだったが、テレビ局のある天津は遠く、目の前には施設長や身内の了解を得なければならないという難題が立ちふさがっていた。
  老いた親の世話をどうするかという問題は、少子高齢化社会の日本で大いに問題になっているが、一人っ子政策の中国でもそれは同様、いや、もしかしたらそれ以上に深刻な問題なのだろう。グォやチョウら老人たちは、じつに過酷な家庭環境の下でホーム暮らしを余儀なくされた。だが、ここでスポットを当てているのは、そうした問題より、むしろ困難な現実から解き放たれ目を輝かせて前に進む老人たちの姿である。
  自宅を義理の息子に奪われ、実子にも拒絶され、植木鉢ひとつ抱えてうなだれた様子でホームにやって来たグォ。彼にとっての救いは、旧友チョウの明るさだ。チョウのリードでコンテストに向けてトレーニングに励むうち、グォは生きる張り合いを見出していく。それは、ほかの老人たちも同じだ。煩わしさを忘れ、目を輝かせて一心に打ち込む。
  やがて、彼らはホームを飛び出してオンボロバスで天津へ向かうのだが、その道中が、また、よい。いくつかのトラブルといくつかの出会いに縁取られた冒険旅行。齢を重ね、童心に返って今を楽しむ彼らを、誰が応援せずにいられるだろう? 金目当てで没交渉だった祖父グォに近づいた孫も、いつしか応援団員と化す。自身、良好ではない親子関係の下に生きてきたというチャン・ヤン監督の、家族(特に両親)に対する思いもそこには込められている。
  物語終盤でチョウの秘密が明かされる。明朗さの陰に隠された事実、チョウを衝き動かし続けたパワーの源は何であったのか。人の生きる力の源泉を見る思いがする。